内部監査情報局

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内部監査部門の所属先

「月刊監査研究」2月号から興味深い数字をもう一題

サンコール(5985・東証1部)内部監査室長の吉田健一郎氏の調べによると、調査対象1,588社のうち、内部監査部門の所属先として最も多いのは社長で81.5%、次いでその他役員(おそらくCFOなど)が6.5%、取締役会が3.0%、監査委員会他が2.9%だそうです。

やはり内部監査部門は社長直属というのがスタンダードのようです。

一方、改訂コーポレートガバナンスコードで内部監査部門と監査役の連携強化が謳われたので、直接報告を要請されているCAEもいるかもしれません。
これについて、吉田氏は以下のような見解を述べられています。

監査役への報告が義務化されることで、監査役から何らかの指示命令が発せられる運用となれば弊害につながる。経営者からの指示との重複や乖離、更には新たな業務工数が発生して、内部監査部門の実行計画の足手まといとなるリスクが生じるからである。内部監査部門が、監査役業務の下請け機能を担う関係は禁忌である」

「足手まとい」という言葉がすごい。
実体験からでしょうか(笑)

しかし、筆者も同感です。
そもそも監査役と内部監査部門は監査対象が違うので、監査役は従来通り、内部監査部門との意見交換に留めるのがあるべき姿と思います。

改訂コーポレートガバナンスコードを盾に、監査役が暴走しないことを願います。