内部監査情報局

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日医工の巨額損失に思う

以下、本日の日経新聞の要約です。

「後発薬大手の日医工(4541・東証1部)は11日、2022年3月期の連結最終損益が186億円の赤字になりそうだと発表した。品質不正で3月に業務改善命令を受けた富山第一工場で、生産の全面再開が遅れている。原材料や仕掛品の廃棄に伴い棚卸資産評価損を計上することも響く。」

昨年から日医工、小林加工など後発医薬品ジェネリック医薬品)メーカーで不祥事が相次いでいます。
このような場合、しばしば問題になるのが、「内部監査は機能していなかったのか?」ということです。

会社の内部監査部門への支援体制や内部監査人のスタンスにもよるので一概には言えませんが、内部監査の目的が「経営目標や事業継続性を阻害するリスクを低減する」ことだと考えると、同社の内部監査部門は機能不全だったように思います。

現場に足を運び、社内のリスクに目を光らせ、自らの使命を忘れていなければ、このような巨額損失は防げていたのかもしれません。

愛社精神はなくとも、生活の糧を得ている会社が潰れては困ります。

自戒の意味も込めて、J-SOXの評価にかまけず、本来の内部監査人の役割を見つめ直すニュースだと思います。