内部監査情報局

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CIAの実働率

「月刊監査研究」の最新号(2021年12月号)に興味深い記事がありました。

今年2月〜5月に実施された「上場企業における内部監査の実態調査」をまとめたものですが、その中に内部監査スタッフの保有資格に関して、「公認内部監査人については(東証一部上場企業、同二部上場企業、新興市場等)いずれも1社平均1名に満たない(一部で0.59名)」と書かれていました。

この数字を当てはめると、上場企業の内部監査部門で働くCIAホルダーは、3,767社(2021年5月末時点)×0.59=2,222人となります。

既述した通り、国内CIAホルダーは約1万人ですから、残りの約7,800人はどこへ行ってしまったのか?

考えられるのは、①CIAを取得したものの他部門へ異動してしまった、②公認会計士などがサブ資格として取得している、③実務経験のない方が資格のみ取得しているなどでしょうか。

いずれにせよ、CIAホルダーの実働率はたった22%!
8割近くが内部監査部門に所属していないとはもったいないことだと思います。

同記事には「内部監査部門の所属年数の平均は東証一部が3.81年、他の市場区分でも4年に満たない」とも書かれているので、せっかく内部監査部門に配属されてもジョブローテーションで異動してしまうのが現実なのでしょう。

一方、内部監査の理論と実務に通じた方や内部監査人を養成できる方へのニーズは、求人情報を見ている限り旺盛です。

苦労して資格取得したのに、他部門に異動してしまったCIAのみなさん、思い切ってプロ内部監査人を目指してみてはいかがでしょうか。