内部監査情報局

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内部統制非有効事例①

直近に開示された内部統制の非有効事例をご紹介します。

開示日:2022年5月25日
企業名:富士古河E&C(1775・東証S)
開示方法:訂正内部統制報告書提出
不備の類型:粉飾決算
不備の内容:退職給付債務の過大計上
該当プロセス:決算財務報告プロセス(固有)
担当監査人:EY新日本

同社が過去の退職給付債務の数理計算を見直した結果、計算方法に誤りがあり、退職給付債務を過大に計上していたことが判明。過去4年分の有価証券報告書などの訂正報告書を提出したとのことです。
これにより、退職給付引当金の見積に関する内部統制が不十分だったということで、開示すべき重要な不備と判定されました。

これは厳しい!
過大計上された4年間は会計監査人監査をクリアしていたわけで、隠蔽でもなさそうなのに、なぜ新日本は気付かなかったのか?
しかも、利益面ではプラスの修正です。

こんなパターンもあるんですね。
気をつけないと。